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木村由香(2020)【リサーチペーパー】 高齢者の終活への取り組みとサクセスフル・エイジング『社会老年学』横浜国立大学大学院 安藤研究室, 7.

博士論文の内容を、研究室発行のリサーチペーパーとして簡潔にまとめたもの。
本研究では、終活への取り組みが主に都市部高齢者にとってどのように位置づけられ、いかにして自らの人生に対するポジティブな視点、すなわち今後の生き方・展望へとつながっていくのかについて明らかとし、サクセスフル・エイジングに資する 終活への支援のあり方への提案を行うことを目的として、以下の一連の研究に取り組んだ。

  • 研究I 一般の人々にとっての終活とはなにか:マス・メディアにおける終活のとらえ方
  • 研究II 終活とは何を指すのか:エンディングノート分析による終活の項目の設定
  • 研究III 終活への意識と行動実態・1:エンディングノート作成にみる高齢者の終活への意識と行動
  • 研究IV 終活への意識と行動実態・2:高齢者における終活への取り組みと生活満足度との関連
  • 研究V 終活への意識と行動実態・3:終活に取り組む独居高齢者の特徴

結果、終活が特に独居高齢者の生活満足度及び未来展望に影響を及ぼすことが明らかとなった。
また、サクセスフル・エ イジングにつながる終活とするためには、終活講座など知識を得られる機会を提供し、財産整理や物の片付けを最初のステップとして終活の促進を図ることが効果的であること、不安を煽り終活につなげるのではなく高齢者ひとりひとりが抱える悩みに 対応した終活の内容を提案していくことが重要であること、という示唆が得られた。